以前にも一度話題にした、沖縄の歴史的建築物である、旧沖縄少年会館。
昨年11月に那覇市議会で解体撤去する補正予算を可決していたが、今年2月8日に解体工事の指名入札が行われ、解体業者が決定した!
2週間後に工事着手、5月末までに完了の運びとなった・・・。
1966年落成した少年会館は、沖縄の子供たちの夢のような建物だった。
僕も小学生の時、学校の遠足で見学に来て驚いたものだ。
屋上の7階にあるドーム型の屋根の中はプラネタリウム。
始めてみた時は夢のようだった・・・
1966年の建物が老朽化で、危険なので使用できなくなり、解体撤去だ!
建築の専門家たちが「沖縄の歴史的建築物なので保存活用してほしい、耐震補強、リフォームすれば、十分使える」と、要望しているのに、那覇市は「NO!」
最近面白い事実が発覚したようだ・・・「少年会館より老朽化、危険な建物が那覇市内の小学校の校舎に多数ある」というのだ。
詳しくは、沖縄少年会館を保存・活用させる会のWEBサイト「KUMOJI CIVIC FORUM」ご覧いただきたい。
1966年という、46年前の建物を歴史的建築物と呼ぶのも、まだ浅い歴史のように思えるが、第2次世界大戦で、ほとんど全てを失った沖縄に100年以上の建物なんてほとんどないのだ・・・、あの首里城だって、この少年会館より新しい建築物である(もちろん復元だからね)。
だが、この建物には戦後復興期の沖縄の子供たちに、大きな希望を与えた役割があったのだ。
僕もこの建物は残してほしいと思う・・・沖縄の建築技術の粋を集めて、補強補修し、コンクリート打ちっぱなしの建物が何十年使い続けることが出来るか、挑戦してほしい!
片やベルギー、言わずと知れた古きを重んじる人々(ヨーロッパ中、そうかもしれないが)古い建物を「古い=使えない」という考えは全くない!
いかに残すか、いかに使うかを考える。
上の写真は僕が良く行く、メッヘレンの裁判所。
この裁判所は16世紀建築のゴシック様式で、当時の支配者「マルガレータ妃」の宮殿だったのである。
宮殿内部は裁判所として使われ、中庭は外来者、観光客にも開放されている。
1288年建築の石造建築はメッヘレン市の市庁舎だった。
フランダース地方最古の石造市庁舎と言われるが、現在は小規模な博物館になっている。
聖ロンバウツ大聖堂の前にある、大きな建物は14世紀のメッヘレン市庁舎。
600年以上前のものとは思えないくらいきれいだ!それが現在は郵便局として活用されている。
そして現在の市庁舎、右側から14世紀の建物に16世紀に増築して20世紀に完成という、何とも息の長いスパンで時間をかけて、今の姿になったのだ。
500年、600年前の建物だから古くて使えないわけじゃない、内部はオフィスとして普通に使っている。
2009年10月に訪ねた時、メッヘレンの街角にあった工事現場、道路に面した煉瓦の壁だけを残して、その後ろ側には何もなかった・・・。
2012年2月その工事は完了し、何事もなかったかのように、普通のオフィスビルになっている。
すべて取り壊して、新築したほうがコストは安くできるだろうに、「そこまでやるか!」と思えるくらい、ものすごいこだわりを感じる。
地震が多いとか少ないとか、文化の違いだからという事で片づけられるのだろうか、沖縄の建築物の老朽化―取り壊しー新築というパターン。
そろそろ改める時期ではないだろうか、公共工事がないと経済が成り立たない仕組みからも脱却しなければ、いつまでも基地依存になってしまうぞ沖縄。
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