6.11.08

煉瓦の家

 寒い寒いと言いながら、今日の昼は天気が良くて、温かく感じた。学校から家に帰って、ベランダの温度計を見たら12℃っだった。ベルギーでは12℃でも暖かいと感じるくらい寒くなっていたのか?。

 ベルギーはビールの国であるが、煉瓦の国でもある。イタリアやフランスあたりは、石の家も良くあるが、ベルギーは煉瓦の家が圧倒的に多い。
 日本人がイメージするヨーロッパの田舎の家は「広い草原(牧場)や、畑の中にポツリ、ポツリ赤レンガに三角屋根の家がある」ではないだろうか。
 初めてベルギーに来た時は、空港まで車が迎えに来ていたので、家に向かう間にも、レンガ造りの三角屋根のオンパレードに目を見張り、感動したものだ。
 田舎に限らず、街でも好んでレンガを使っているのか、煉瓦以外で造ってはいけないのか疑問に思う位だった。
 それで、ベルギーの義兄に「煉瓦で家を造らないといけない法律でもあるのか」と、聞いてみたら「Yuki、ベルギー人は生まれる時に、煉瓦を抱いて生まれてくるんだよ」と答えたもんだ。
(お前は、ビールを飲まないといけない法律があるから、ビールを飲んでいるのか)と、言われているようで、「なるほどね」と、妙に納得した覚えがある。

 その答えは、長期滞在する事になった今回わかった!(今は一人で納得している段階だが)
 
 ベルギーに来てから「寒い、寒い」を連発しているが、外の気温が3度とか、5℃、最高気温が15℃とか表示されていて、外に出た時の体感で、そう言っているのであって。

 実は家の中は9月に初めて入った時から今まで、一貫してデジタル温度計は「20℃」を表示したまま動かないのだ。故障じゃないかと、窓の外へ出したら、グングン下がっていくので故障ではない。
 沖縄にいた時は、クーラーもつけずに、窓を開けっ放しの方が多かったので、温度計は面白いように上下していたのだが、ここでは、そんなことで面白がってはいられない問題なのだ。

 如何に温度を保つか、それが家造りの問題なのだ。壁は煉瓦にして厚くする。窓は最近はアルミサッシで2重ガラスで、枠もビシッと密閉できるようになっている。カーテンもレースと、かなりの厚手のカーテン2枚、夜の気温が下がる前に、厚手のカーテンを閉める。三角屋根も雪を積もらさないためと、天井に断熱空間を設けるためではないか。
 最近の煉瓦は耐熱、保温にいかにも優れていそうな、細かな空洞のあるブロック煉瓦のようなのが多く使われているようだ。(3番目の写真はオーストリアの友人宅)建築現場を見ると、鉄骨構造の煉瓦の家だったりもする。

 さて、ベルギーでは、いったいどれくらいの煉瓦を使うのだろう?
 そんな事を、僕が知るわけはないが、道にもレンガを使ったりするので、果てしないような気もするが、一方では17・8世紀の建物に住んでいる人もいるし(築50年100年は当たり前)、30年くらいで壊してしまう日本のコンクリート(住宅)より、消費量は少ないのかもしれない。

 道路の石畳やレンガの道は、工事があっても、また元通りに石と煉瓦は使えるから、日本のアルファルトと比べたら、ものすごく効率的ではないかなと思う、今日この頃だ。

 あ、ついでだから、2番目の写真説明をしておこう。左側と右の三角屋根3連続は、リール市の市庁舎である(これもかなり年代物を使っている)。ベルギー国旗がはためいていたりする、が、あたりに「○○市役所」と言う看板や案内板は見当たらない。
 EUの国はどこもそうで、お役所で、どこからも分かるような派手な看板を見た事がない。せいぜい国旗と州旗、市旗、EU連合旗が掲げられている位だ。「大体の場所が分かれば、それを見ればわかるだろう」みたいなものだ。ドアの前まで来たら、市役所の入り口であることが分かるようになっている。
 ちなみに、その三角屋根の形状が、ギザギザ「階段状」なのはベルギーのフランダース地方特有のものであるらしい。

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