23.2.12

バンシュのカーニバル 3

オレンジが、四方八方から飛んでくるバンシュのカーニバル!

ダンダ、ダンダ、ダンダ、ダダダダダダダダ・・・

ドラムの音と、カタ、カタ、カタと木靴で、石畳を叩く音、

腰や胸に付けた鈴が、オレンジを投げるたびにチャリン、チャリンと響く!

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オレンジを投げ終わった子ジルたちは、空になった籠と籠でつながって、輪を描くように歩き始めた。

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オレンジはまだ飛び交っている!

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丁寧に標的を定めて、優しく投げてくれるジルもいれば、できるだけ遠くへと、力いっぱい投げるものもいる。

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「もっと遠くへ!」と言えば、この祭りの・・・というか、バンシュのモットーであるということで、「PLUS OULTRE」と言う大きな看板が掲げられていた。

プルス・ウルトラ(Plus Ultra)、ラテン語で「もっと向こうへ!」と言う意味らしいがスペイン国のモットーでもある。

やはり16世紀に侵略、支配を繰り返し、世界帝国を築いたカール5世の時代からのモットーであり、バンシュでもそれが引き継がれているということだ。

しかし、祭り自体は閉鎖的で、主役のジルになるには「バンシュの地で生まれ育った者」であるという資格が必要なのだ。

これだけ盛大な祭りだが、ジルの衣装や道具などはほとんど、個人の費用負担なのだそうである・・・、多い人は1,000€を超えるとか・・・衣装はもちろん、観衆に投げるオレンジ、祝い用のシャンペンなども含めてだが・・・。

祭りには、親戚や友人たちも訪ねてきて「物資支援」などをしてくれるのだそうだ。

そして(多分)支援をした人たちは、ジルの行進の時、後ろからついて歩いているのではないだろうか(取り巻きが大勢いるのだ)。 IMG_1034

ちびジルはかわいい!

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かわいい女の子にはサービス!

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投げられてもキャッチできそうにない子供には手渡しで・・・。

しかし、僕の隣にいたこの子は、たーーっくさんオレンジゲットしておったぞ!

人によっては、リュックサックのいっぱい詰め込んでいる人もいるんだから「この人、ほんとにオレンジ目当てに来ているんじゃないか!」と思うほど、貪欲にオレンジ集めをしている人もいる。

僕は7個ゲットした時点で、ジャンパーのポケットが一杯になったので、取るのをやめたが・・・。

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投げるオレンジがなくなったジルは、籠をひっくり返して持ち「ないよ!」の合図。

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西陽の当たる市庁舎の、時計の針は17:55を指している。

IMG_1546オレンジ投げ、争奪戦の熱狂は続く・・・

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ジルたちの白いダチョウの羽根帽子が、少しづつ広場から流れるように、脇道の方へと動いていく。

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もう、囲いの柵も関係なくジルと観衆が入り乱れ状態になっているが、確実にハイライトは終わりに近づいていた。

この後、夜には19:30から、暗くなった広場にトーチを持ったジルたちが再登場し、ジルダンスを披露し、21:30には花火が打ち上げられるという予定だったが・・・、僕は、帰りの電車に乗らなければならない時間になっていた。

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薄暮のバンシュ駅がキレイな色合いだった。

帰りの電車は、祭りを終えた観衆が殺到するので、2階建ての臨時便が待機していた。

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帰りの乗り継ぎはブリュッセル南駅。

戦利品のオレンジ・・・、と、ビールグラス?

カフェでもらったグラスを持ち歩いて飲んでいたら、カフェから遠いところに来てしまい、ポケットに入れてそのまま、持ち帰ってしまった・・・、すまない、カフェ!でも、同じカフェで3杯飲んだよ!

こうして、ヨーロッパ最大級のカーニバル会場をあとにした。

 

ダンダ、ダンダ、ダンダ、ダダダダダダダダ・・・

ドラムの音と、カタ、カタ、カタと木靴で、石畳を叩く音、

腰や胸に付けた鈴が、オレンジを投げるたびにチャリン、チャリンと響く音!

この祭りの雰囲気は、後日、動画でお楽しみいただきたいと思う。

 

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