有名なアントワープ中央駅は、まぁ、ベルギーに来たことのある人は誰でも知っていると思うが、そのひとつ手前で、中央駅に近いのに、タリス以外の電車がすべて停車する駅がアントワープ・ベルヘム駅(Antowerpen-Berchem)である。
2007年12月までは、国際列車タリスのアムステルダム行きは、このベルヘム駅で停車して、客の乗降をして中央駅まで行かなかった ・・・ なぜならそれまでは中央駅は行き止まりの駅だったから ・・・ 2007年12月からは中央駅に地下トンネルが開通し、高速列車タリスはアムステルダム方面へ抜けられるようになったので、ベルヘム駅は通過駅となり中央駅で停車するようになった。
と、いうことで以前は非常に重要な駅であったベルヘム駅 ・・・ 今は、僕の住むリールなど、東側から電車で来た客がブリュッセル方面へ行く時の乗り継ぎ駅として、重要な駅ではある。
が、この駅で電車から降りるものの、乗り継ぐだけで、駅から出て、この街の観光に行こうなんて人はほとんどいないと思うのだ ・・・ 駅を出たらカフェが数軒あるものの、買い物が出来るような街ではないのだ。
ところが、僕はこの駅を出て、何度か街歩きをしている。
駅前の自転車置き場や、この迷路のような生垣の庭は最近出来たものだ ・・・ この生垣の向こう側にバスやトラム乗り場がある。
バス・トラム乗り場まで行くと左手にある、この建物の間の通りがコーヘルス・オジレイ通り(Cogels-Osylei)という、知る人ぞ知るアントワープの隠れた名所なのだ!
20世紀の初め頃、アントワープで富を築いた金持ちたちが、競うように当時の最新の建築様式で邸宅を建てて、今の街並みになったという ・・・
宮殿ではなくて、あくまで個人の住宅なので、巨大とか、豪華というのとは違うが、それぞれが自己主張の強い個性を出している ・・・ アールヌーボー、アールデコ、ネオルネッサンス、ネオクラシックなどの建築様式の邸宅が並ぶ ・・・ 統一感がないといえばそうだが。
住宅街なので、トラムもバスも行き交っている。
建築に興味のある人には、大いにそそられる街歩きだろう・・・
僕は建築家ではないが、多分、女の子がショッピングストリートで、ウインドウショッピングを楽しむような気持ちで歩いているのだと思う。
お城のような住宅もある。
屋根の上に風車があったりして、茶目っ気もあるのだ!
ここまで、約450m ・・・ 普通に歩けば5分で通り過ぎてしまうコーヘルス・オジレイ通りだが、写真を撮り、両側を見るため、道路を何度も横切ったりして30分くらい楽しんだ。
さらに楽しみたい場合は、この通りの周辺までこのような街並みが及んでいるので、ぶらりと横道に逸れてみるのもいいだろう ・・・ 僕は、カメラのバッテリーが赤信号になったので、この辺をウロウロするのはやめて、中央駅周辺へ歩を進めることにした。
鉄道の下を通り抜ける・・・この場所はDraakplaats(ドラゴン広場)らしい。
ボルグラウト役場(Gemeente Huis Borgerhout)
僕は地図も持たずに、初めての街を歩いていた ・・・ もちろんこの建物は初めて見た ・・・ 大体の方角だけ定めて、ぶらり~ぶらりの街歩き ・・・ ま、本当に道に迷ったら「Station Antwerpen-Centraal」行きのバスか、トラムに乗れば大事に至ることはないだろう、という軽い気持ちで歩いている。
Sint-Willibrorduskerk
もう、だいたいこの場所の検討はついていたので、ひと休みすることにして、近くの新聞屋で缶ビールを買ってくる ・・・ 新聞屋で缶ビール?・・・ ベルギーの新聞屋はちょっとした便利屋みたいで、宝くじも売っているし、タバコや飲み物や、週刊誌なども売っているのだ。
そこで、冷蔵庫にある缶ビールに「1.15EUR」と表示されているので、財布から細かいお金を出して2.15EURを作って、店番のオジサンに渡したら 「はい、丁度ね、ありがとう!」 なんて言うから 「それは2EUR(コイン)だったよ!」 って言ってやったら、オジサン、確認して 「あ、そうだね、ソーリー、はい1EUR返すね」
しっかりしてくれよ!
この教会前でしばらくベンチに座り、イスラム系の子供たちがサッカーに興じるのを眺めていた ・・・ このあたりは移民が多く住んでいる地域だ。
今日は移民街を歩いてみるのも、ひとつの目的だった ・・・ アントワープ中央駅の東側、北側がその一帯である。
ユダヤ人が多く住む地域と、モロッコ人、トルコ人が多く住む地域は自然に分かれているようだ ・・・ トルコ人の中でもトルコ人と(トルコの中の)クルド人は対立していて、時々紛争があったりする ・・・ むつかしいのだ移民問題は ・・・。
(僕も移民のひとりであるが)
その中で、モロッコ人が多く住む地域の商店街はなかなか面白い! ・・・ 下町っぽくて、飾らずに値段が安いものが多い、フルーツや穀物、スパイスの種類が多い ・・・ 肉屋、魚屋が多い!
特に魚屋はベルギーの普通のスーパーの魚売り場より、種類も充実し、新鮮なものが多い!
電気製品の中古品店もある ・・・ PCの時代遅れ品などが多い。
モロッコ人商店街をずっと歩いていくと、小さな広場をはさんで、中華の商店街へとつながっている ・・・ 僕のもうひとつの目的は、いつもの中華スーパーでお米とインスタントラーメンを買うことだった。
コメ4kgと、香港製「出前一丁」(日本では売られていない味の商品だ)を14個買った。 韓国製、中国製、タイ製などのインスタントラーメンもあるが、心配な面があるので躊躇する。
最後の目的を果たし、帰ることにする ・・・ 中央駅はすぐそこだ!
中央駅のトイレを利用するため50セント(0.50EUR)必要なので、入口の番をしているオバサンに2EURコインを渡すと、50セントのおつりが返ってきた ・・・ 僕は「今の2EURだったけど・・・」 というと、「あ、そうだね、ソーリー」 と言って 1EUR返してくれた ・・・ まったく、しっかりしてくれよ!
て、いうか、今日だけで2回目だぜ!
オジサン、オバサンとは言え、店番を任されているのだから耄碌(もうろく)しているわけではないだろ! ボケたフリして「ソーリー」といえば済まされると思っているんだろう ・・・ あわよくば気付かない人もいるわけで、ユーロに慣れてないか、計算が不得意な?人からだまし取って私腹を肥やすつもりだな、これは!
こういう、簡単なやり取りでも気を付けよう!
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