6.5.09

ブリュッセル窃盗団に遭遇

 5月5日、ブリュッセル(Brussel)にある、日本大使館広報文化センターで行われるコンサートへ行くついでに、早めにブリュッセルに着き、ひとりで、いつものようにリュックにカメラを入れ、時々取り出して写真を撮りながら、市内観光を楽しんでいた。  大きなサブロン教会のある周辺を歩き、プチサブロン広場(Place du Grand-Sablon)の管理された庭園では、守衛の若者(ちゃんと制服を着ている)に「芝生の上を歩いたらいけないよ」と手で合図され、フランス語で声を掛けられたので「すみません、少しのオランダ語なら話せます」と言うと、「私はフランス語しか話せません、私はモロッコ人です」らしき事を言った。

 彼はこの庭を守っていて、観光客が芝生に入ったり、花を触ろうとする事に目を光らせている。退屈な仕事かもしれないが、シャキッとした態度で、まじめに仕事をしているな、と感心した。  コンサート時間も近づいてきたので、日本大使館に近い、ブリュッセル公園前にある王宮(Place Royale)へ行く。
 大きな建物と広い前庭(ちょっとさびしい感じがしたが・・・)
 王宮の正面入り口を守る守衛、銃を持ち、腕を90度にあげて、入口の前の廊下40m位を、ずっと機械のように往復している。

 そんな光景を写真に収めている時に事件は起こった。

「ブリュッセル窃盗団遭遇事件」2009.5.5 17:00頃

以下に出て来る会話は、英語で話しているらしいが、僕も英語を詳しく理解しないので、そう言っていたようだ程度なので、そう思って読んでくだされ。

 その守衛を見ていると、一人の40代位の男が近づいてきて、自分のカメラ(SONY)をさし出して「僕の写真を撮ってくれないか」と言うので、僕は「OK」と言って、王宮をバックに構えようとすると、男は「いやいや、ここじゃない、向こうの公園の方から撮って欲しいんだ」と言って、僕にカメラを持たせたまま、いっしょに40mくらいある道路を横断した。

 歩きながら男は「僕はイタリアのローマから来た。旅行者だ」と親しそうに言うので「僕は日本人だけど、ベルギーに住んでいます」と話した。公園側の歩道で王宮をバックに撮った。

 カメラを返そうとすると「ちょっと待って、もう一枚撮って欲しい、今度はこっちで・・・」と、歩道を歩き、歩道上に工事用のコンテナが置かれた所へ。そこでカメラを構えようとすると、後ろから人が来たので、自称ローマ男は「あ、後ろから人が来たから、こっちへ寄って」と、コンテナの後ろに寄せた。

 後ろから歩いて来た男(180cm位のベルギー人風)は、いきなり二人の前で立ち止まって、「私は警察だ、英語は話せるか、二人ともパスポートを見せなさい」と、私服ではあるがPoliceと書かれた、身分証明証らしきものをチラッと見せて言った。

 ローマ男が先に、パスポートを見せて、僕はパスポートじゃなくIDカードを見せた。自称警察男は「お金は持っているか」と聞くので、ローマ男は、お札が数枚入っている財布を開いて見せた。警察男はお札を財布から抜き出して、確認してからまた戻した。

 僕もそれにならって、財布を開いて見せたが、お札は1枚も入っていない。警察男は「紙のお金は持っていないのか」と言うので、スーパーのレシートが入っているのを見せて、小銭入れを見せたら「コインしかないのか、他の場所にはないか」と、事もあろうか、僕の上着のポケット、ズボンの前、後ろのポケットを衣類の上から探り、何もないのを確認して、あきらめたようだった。

 警察男は、ローマ男に「さあ、早く行きなさい」とその場を立ち去らせ、僕に「ここは危険だから、早くこの場を離れなさい」みたいな事を言ったので「僕は、日本大使館に行きます」と言って別れた。

 事の顛末は以上だが、このあと公園のベンチで、冷静に振り返ってみると、まずローマ男は親しそうに旅行者を装って、話しかけたが、初めての相手に、自分のカメラを持たせたまま、40mの道を渡ってまで、写真を頼む自体おかしい、さらにもう一枚と、場所を移動しようとするのもおかしい(この辺で、僕は怪しいと感じた)

 そして警察男、最初は私服でパトロールをしていて、僕とローマ男を見て、ローマ男が怪しいと思って、職務質問をしに来たのかと思ったが、ローマ男の財布からお札を抜きだして確認するあたりで、こいつもおかしいと思った。それに、異様に早口で、慌てているようだった。

 二人はグルだったのだ。

 在ベルギー日本大使館のHPにもあるが、不定期に送られてくるEメール版「大使館eNews」でも、何度も警告されている「被害に遭わないためのポイント」のひとつ「多額の現金を持ち歩かない」鉄則を守った事で、被害を免れたから良かった。

 出発前にコインのチェックをしたが、10€30¢位しかなかった。それくらいあれば、街でビールを飲んだり、ワッフルやフリッツくらいは食べられる。電車のチケットは別に持っている。

 とんだ災難に巻き込まれたが、被害がなかったので言えるが、「ブリュッセル窃盗団」の、面白い寸劇に、自分も役者になって出演させてもらったようだ。

 ベルギー在住者、及びこれからベルギーへ来られる方には、日本大使館のHPにある「安全の手引」と、「大使館eNews」バックナンバーを、読んでおく事をお勧めします。


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3 件のコメント:

haruna さんのコメント...

はじめまして!南米アルゼンチンに住んでいます。
こちらでも、同様の窃盗事件がたまにありますよ。
「警察官」を語られると、日本人はつい信用してしまうのかもしれませんね。
話は変わりますが、私も沖縄出身です!ベルギーに移住されたなんて、憧れます♪小さな島である沖縄は、どこか旅行に行きたいと思ってもなかなか大変ですが、ヨーロッパ大陸は国と国が繋がっていますもんね。ベルギーには行ったことがないので、美しい街の写真に、ただただため息・・・これからも楽しみに拝読させていただきます。

あーたん さんのコメント...

えええええええ~!!!!!!
masayukiさんに被害が無くて何よりです!!!
よかったです!
びっくりしました!!
私は、まだ遭ったことはないのですが、
警戒しておく事に越したことはないですね。
でも、なんだかさみしいですね。
警戒ばかりしていて、
人に垣根を作るのもいやだけれど、
被害に遭うのもいやだし・・・

う~ん・・・。
私も気をつけようと思います~!!
・・・そっかあ。
所持金10€でもいけますね。
うん。確かに~!

まさゆき さんのコメント...

>harunaさん
はじめまして、コメントありがとうございます。アルゼンチン在住ですかー?しかも、沖縄出身とは・・・。「一度は行きたい南米大陸」と言う感じですが。
沖縄県人は結構世界に分散していますよね。ベルギーの僕の住むLier市では、日本人さえ見えない所です。
そんな折、沖縄県人のコンサートがあると言うのでブリュッセルまで出かけたのですが・・・。被害がなくて良かったです。

>あーたんさん
残念ながら、観光客の多い所に犯罪ありですね。
大使館eNewsでは、いつもブリュッセルの日本人被害情報が載っているのです。
妻に、いつも「20€以上持たないように」と、言われています。
身の安全のためには、お金を渡して暴行や命を取られない事も対策といえる。
持っているのに渡さないで、抵抗した時が危ないと思う。