所用でAntwerpen–Gentをめぐる旅に出る(日帰り)
まず午前は、アントワープ港の埠頭街にある、古い倉庫を改造した「FelixPakhuis」飲食店街。
アントワープ中央駅から歩いて20分ほどの場所、僕がいつも通っている、セントラルの大聖堂あたりとは別方向である。
ふたつの大型倉庫の間に屋根を付けて、アーケード風になっている。
午前で雨も降っていて、ひっそりしているが夜は若者たちが集まり、飲食店街として、相当賑わっているようである。
この建物は1860年に、コーヒー、とうもろこし、チーズ、そしてタバコのような商品の倉庫として建てられた。
7階建の各階には大きく開いた窓があり、最上階からクレーンで、各階への荷の揚げ降ろしが出来るようになっている。
その当時をしのばせるものは、オブジェとしてそのまま保存されている。
そんな建物に、どんな「所用」があったのだ?
はかり
内部もまさに倉庫的構造、頑丈である!
白塗りにされているのがおしゃれだ!
なんと、ここの最上階の6階(日本的には7階)にアントワープ市の公文書館があるのである。
1975年に、この建物は使われなくなったが、1年後に記念物として保存され、30年も寝かせたあと、2006年から再利用されることになり、若者が集まる飲食街と、公文書館という形に生まれ変わったのである。
最新のエレベーターで6階に上がる。
1860年建築の屋根裏部屋的場所に公文書館。
中身は最新設備を投資しているアントワープ市。
katrienと、とある仕事で100年前の資料を探しに来たのである。
マイクロフィルムでの閲覧、コピー可能、インターネット検索、職員も懇切丁寧で、ベルギーのお役所仕事としては完璧すぎる対応だった。(巷では不満をよく聞くが)
所用の続きで、アントワープ中央駅とベルヘム駅の中間にあるDageraadplaats(広場)に来る。
所用は終わったが、ついでに近くにある、ベルギーの重要文化財となっているCogels-Osylei通りを歩く。
20世紀初期の金持階級の住居街で、アールヌーヴォー、アールデコ、ネオルネッサンスなどの当時の最新様式を取り入れた豪奢な家が並んでいる。
その後、最寄りのベルヘム(Berchem)駅まで歩き、Gentへ向かうのであった・・・。
Gent-Dampoort 駅で降りる。
駅のホームから見える(右から)聖ニコラス教会、鐘楼、バーフ大聖堂の塔。
Gentでの所用は、Katrienの翻訳業仲間の、年に一度のバーベキュー懇親会である。
僕はお伴として付いて行くだけなのだが、みんなと同じようにバーベキューを食べ、ワインを飲み、気の合いそうな人たちとおしゃべりをする(もちろん僕は、あまりおしゃべりは出来ないが…)。
オランダ語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、ギリシャ語、アラビア語・・・・、何でもありの感じだ!
その中でも、たまたま同じテーブルで、隣に座っていたギリシャ語翻訳者の女性は僕と同い年で、ギリシャ人と結婚して20年ギリシャに住んでいたといい、ギリシャの話など楽しかった。
僕とKatrienが、日本の沖縄で知り合い、結婚したのだというと、小さい島で日本と違う文化の多い沖縄に興味を持ち、僕に「小さい民族の文化は大事で、大きな時代の波に押し流されないようにしないといけない。あなたは沖縄に戻って、沖縄の伝統文化を保存することに貢献するべきだわ!」 と、進言するのである。
んーん、左様か!
沖縄は、伝統芸能を保存継承する体制は確立されていると思うのだが、今一度肝に銘じておこう!
沖縄伝統芸能に関わる皆様、かくして、世界から注目されているのであります。
精進されたし!
話は盛り上がり、今後の交流を約束して、メルアド交換をした。
腹いっぱい食べて、飲んで、彼女もKatrienも喉が枯れるくらい、おしゃべりをしたので「さて帰ろうか」と言ったところで、彼女が車で駅まで送ってくれることになった。
彼女の車はスズキアルトだった(なんと、速度計は180kmまで刻まれている)
Lierに戻って来ると、Zomerfeest(夏まつり)の準備が整っていた!
おや?今年は広場に舞台がないゾ!
夏まつりのオープニングはいつも、この広場から、我が家の前の遊歩道沿いに、出店が並んで開催される。
あぁ、にぎやかだ、今(午後21:50)
ちょうど祭りが始まる18時ごろから、午前午後の雨が、うそのように上がり青空が広がった!
1500年代に建てられた、この水門小屋(Spuihuis)の中でも、ミニバンドのコンサートが開かれる。
このブログをよく読んでおられる方には、お分かりかと思いますが、古い建物は半端なく古いが、立派に現代で活用されています。
例をあげれば、枚挙にいとまがない。
僕が今日、たまたま歩いただけでも、それを実感できる。
今、沖縄で、僕が少年時代に最新設備を誇っていた「少年会館」という建物が、老朽化を理由に取り壊されようとしている。
僕も小学生の頃、プラネタリウムを初めて見て、感動した少年のひとりだった。
1966年の建物である・・・ベルギー人が見たら「まだ新しいじゃない?」と言いそうだ。
地震のある国とはいえ、建築家が構造的強度には問題がないと、太鼓判を押しているのに、市は「老朽化」の一点張りらしい。
役人さんたちの「頭が老朽化」しているのかしら?
沖縄には最新の新築公文書館があったが、ベルギーには1860年建築に最新設備を投入した公文書館がある。
古いから悪いってものでもないと思うんですがね。
役人サンたちにベルギー式再利用法を見せてあげたいですね。
旧沖縄少年会館の保存・再生活動に携わっている「遊悠人」さんに一票投じます。
1 件のコメント:
まさゆきさんの友人の遊悠人です。
ギリシャの方の小さな民族・・の話
感激しました~!
新しいモノにしか美学を感じきれない人達(役人)・・
とても情けなく思います。
同じ人間で何故こんなに考え方に相違が
生まれてくるんだろう~
コメントを投稿