29.5.18

風車のある町Oelegem

日曜日、嫁のテニス大会応援に出かけ、その帰り道にある風車のある町オーレヘム(Oelegem)で寄り道をした。

出かけたついでの寄り道は良くする事である(笑)

小さな町(村と言った方がいいか?)なので、中心付近に車を乗りつけて風車まで歩く。

風車の近くには大抵カフェがあるので、例によって1杯飲みながら、風車を眺めて楽しむ。

風車がある場所は自転車乗りのサイクリングルートに組み込まれている事が多いので、休憩場所としてカフェがある。

レストラン・カフェ、天気がいいと室内部分も仕切りをなくしてオープンにしている。

この町の特徴のひとつが、この玉ねぎ頭の塔を持つ教会。

ひと休みを終えて、風車に近づいてみると「公開日」という事でドアが開いていた(毎月最後の日曜日が公開日)僕らにとっては偶然だが、ラッキーはモノにしないといけない!

犬は禁止なので、僕一人でそろりと入って行く ・・・

1階はカフェスペースになっているが、誰もいないので片側にある小さな梯子を登っていく。

 2階部分に来たがやはり誰もいないので次の梯子をご登る。

3階にはなにやら作業をしているお爺さんがいたので声を掛けた 「私は風車を見るために来ました、大丈夫ですか?」 お爺さんは 「やぁ、いらっしゃい、何処から来ましたか? 英語がいいですか、オランダ語がいいですか?」と挨拶をした。

「お爺さん」と言っているが僕と同年代かも知れない ・・・ 白髪で白いひげを長く伸ばしているので、そう見えるだけかも ・・・

僕は「日本人ですけど、英語はダメです、オランダ語は少しできるのでオランダ語でお願いします」と答えたので、まぁ、それだけでも僕のオランダ語がどの程度か分かったと思うので、身振り手振りを交えて、丁寧に内部を案内してくれた。

でもまずは外へ出て羽根を見てみよう。

悪天候で破損した羽根の部品を交換作業中(羽根に人間が付いている)、風を受ける羽根も強すぎる風にはまいってしまうのだ ・・・ 格子状に見えるのは風を受けるためのセイルというか帆というか、それを外した状態であるためです。

赤い帆を張ると赤い羽根の風車になる。

これが風車の大きな役目である粉挽き臼。

「ここで小麦やトウモロコシなどを挽くんだよ~、昔の最盛期にはこのような臼が、この部屋に3基も設置されていたんだ」

上の箱の中には、このような巨大な石で出来た臼が入っている(120㎝くらいあったか) ・・・ 石には波状のデコボコがあり、それを擦り合わせて穀物を挽く。
「石が摩耗して滑らかになったら石削りハンマーで、また波を作っていくんだよ」と、解説してくれた ・・・ 「じゃ、小麦粉には砂のような石片が混じっていると言う事だよね」 とは言い返さなかった。

ま、少々混じっていても分からないって!(笑)

「風がないと風車が回らないので、今は電気で粉を挽く事もできるよ」

小型の石臼で手で挽く事もできる!

「あ、これはちょっと日本にも似たような臼があるよ、日本では大豆を挽いて豆腐を作るんです」と、爺さんに教えてあげた ・・・ 「そうですか、それは素晴らしい」と。
(豆腐造りに転職した方が儲かるかもしれませんぜ旦那)
とは言わなかった(笑)

さらには子供たちの教育のためにと、コーヒーミルのようなハンドルをグルグル回す小さなミルもあった。

そういえば、ミルとは粉挽き機の事なんだよね、風車は英語でウインドミルと言うし、ソフトボールのピッチャーが腕を振り回して下から投げる投法をウインドミル投法と言う ・・・ あ、蛇足だ! 

風を受けた羽根の回転により強大な動力を得て、その力は余すことなくいろいろな仕事に使われる。

4階建て構造の塔内の各部屋には木製の歯車や軸によって、縦にも横にも自由自在に回転を変え、ブレーキがあったり、動力を切り離したりできる。

その構造を見るのは実に楽しい!

床にある扉、それを開いて ・・・ 

 動力で軸を回すとロープが巻き上げられ、階下の荷車から穀物の袋を吊り上げる事が出来る ・・・ 風力エレベーターか~!

部品調達のための材木が積まれている。

材木を削って歯車の歯を作る。 

部品を買ってくるんじゃなくて、自前で作るってとこが昔ながらだよねぇ。

風車の最上階は羽根が付いている頭の部分。

この軸の外には巨大な羽根が付いていて、相当な力を受けるため頑丈な木が使われている ・・・ その横回転を歯車で縦回転に変換して塔の下部へ伝達する。

 塔の頭は本体とは固定されず、円形のレールの上で回転できるようになっている ・・・ と、いう事は、風向きによって羽根の向きを変えて、常に効率よく風を受ける事が出来るようになっているのだ。

縦回転の軸で動力を下部へ ・・・

案内してくれた爺さん ・・・ ネロのおじいさんのような風貌だった(笑)

 「昔は手彫りだった木靴ですがね、今は機械で削って作るんだよ、この村の風車まつりの時に子供たちに履かせて、外で遊ばせるんだ」 と言っていた。

それは楽しそうな風車まつりだ ・・・ 8月の最後の日曜日かぁ~、僕はいないなぁ ・・・ 残念!

 風車の内部。

普段はなかなか入れないので、たまたま公開日に訪ねてラッキーだった。

塔の上から見た、先ほどのカフェと村の風景。

玉ねぎ頭の塔を持つ教会(Onze-Lieve-Vrouw-Hemelvaartkerk)

さあ、帰ろうか!

※ 追記、公式パンフかから写真をお借りして


帆を張った状態の風車
























風車の断面図
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