今回の風車のある町探訪は電車で行く。
Lier駅からNeerpelt行き電車で約30分、今回は自転車を運んだので自転車の運賃が8€かかった。人間の運賃は11.8€(往復)
事前にGoogleマップで、MOLの町の見どころを確認し地図をプリント、Fietsnet(自転車ルート地図)で、Googleマップにルートを書きこみ、走行距離27.8kmの予定表を作っておいた。
MOL(モル)はアントワープ州の東端にあり、オランダ国境近くの町。見どころはたくさんあったが、今日は風車のお話だけにしましょう。
駅から約3kmくらい離れた場所にあるEzaartと言う集落にあり、その名もMolen van Ezaart(エザールトの風車)と言う。
自転車ルートで来ると、その風車の背後からお目にかかる事になった。(風車は風を受けて回っている時は向きを変えるので、いつでもこの構図とは限らない) トウモロコシ畑越しに、青空も見えていい感じ。 風車の見える木陰で一休み、1本だけ持っていた缶ビールを、プシュッと開け「この景色に乾杯 ! 」 まずは第1目標達成!と言う事でビールを飲む。 その後風車の羽根の正面側に回ると、そこはもう住宅街なので、民家の庭に風車があるような感じでしか撮れない。 風車の立っている敷地内に行くと、休憩用ベンチがあり、塔の下の入口は開いていた。 やっぱり真下で見るとデカイ風車の塔、3階建ての建物くらいはあるだろうか。
白い塔の家に乗っかっている帽子の様なものに羽根が付いていて、その部分は風向きによって回転するようになっている。 白いかわいい風車ですが、やはりレンガ造りで左官仕上げしてあるんですね。 羽根の幹材は鉄骨です。 羽根の向きを変える仕組み。
外で写真を撮っていると、中にいた管理人?が出てきて「中に入ってこいよ!」と手招きしたので、塔の内部に入ることにした。
オランダ語で挨拶をすると「英語は話せますか?」と、(やはり)聞かれた。「いえ、英語は話せません、オランダ語の勉強中です」と答えると「ま、いいや、上まで上がって見ていいよ」 と、親切に言ってくれたので「ありがとう」と、木の階段を上がって行った。
この風車は昔ながらの粉ひき風車で、今でも麦の粉を挽く作業ができるようだ。 まずは2階部分に上がると、壁にはこの風車の建築の様子が分かる写真などが展示されていた。(これは羽根を付ける軸と歯車) そして風車の頭の部分、地上で作った後、クレーンで吊上げた写真もあった。 風車の内部構造 動力の伝達の仕組み
おもしろい! まるで子供のように・・・・
へぇ~、風を受けて羽根が回り、横軸の回転を縦軸の回転に変換して、それを石臼のついた軸に伝えて、石臼を回転させて、そこに麦を入れると、麦が挽かれて製粉されるんだ。
と、単純で明快な解説図です。 それでは順を追って、写真で見てみましょう!
まずは風車の頭の部分(木造の家の様な感じ)外には大きな羽のついた横軸に歯車(2mくらいあります)が付いている。
そして、横の回転を縦軸の回転に変換するように歯車がかみ合います。 縦軸の回転は階下に伝わり、石臼につながった歯車(左右の小さい歯車2基) 歯車もすべて木造とはすごいですねぇ。 下の丸い部分が粉を挽く臼(ウス)の部分、その上の箱に麦を入れる。
箱には実際の小麦が入っていました!
製粉された粉は下の階で袋詰めされる。
あたかも、ついさっきまで作業をしていたかのような光景です。
って言うか、実際まだ現役で使っているんじゃないか?と思うほど、塔内の製粉作業所の中はきれいに整理整頓され清潔に保たれています。
貴重な写真をたくさん撮って、満足して下に降りてくると誰もいなくなっていた。
外へ出ると、さっきのオジサンが休憩ベンチでアジア人女性と一緒に座っておしゃべりをしていた。
「いやー、ファンタスティックで素晴らしいシステムでした。どうもありがとう!」と、声をかけると、彼は「この女性は僕の奥さんです」と紹介してくれた。
小麦色に日焼けした彼女に「タイの方ですか?」と聞くと「フィリピン人です」と答えた。「僕は日本から来て2年になりますけど、オランダ語が全然だめなんです」と言うと「私は21年になるけどまだ駄目だわ」「日本人ならベルギーより日本に住んだ方がいいんじゃないの?」なんて会話をしながら、しばしオランダ語の実践勉強。
彼は「土曜日と日曜日は、この風車を回して実際の仕事をするので、よかったら見に来てください。午後からです」と案内してくれた。
あぁー、道理でさっきの風車内はきれいに整理整頓され、粉挽き準備もされ、予行演習も終わった後だったんだ! 大納得の僕でした。
少しくらいのオランダ語が分かって良かった! うん。
このMOLの風車「Molen van Ezaart」の前にはテントが張られ、何やらイベントの準備のようでしたから、この土日(7/31、8/1)の午後「風車まつり」でもあるのだろう。
あー、また行ってみたい!暇はあったかしら?