16.7.10

自転車は格闘技かぁ?

ツール・ド・フランス2010が始まってから「自転車は格闘技だぁ~!」と言う記事を書いたが、あれはレースの過酷さを〝まるで格闘技のようだ"と表現したのだが、昨日のツール第11ステージ、ラストのゴールスプリントでは信じられないようなホントの肉弾戦が繰り広げられた。

第11ステージは、最初の小さな峠を越えて、あとは下るだけの184.5kmの割と楽なコースで、選手たちは後半に入るまではサイクリング気分で、他チームの選手ともおしゃべりをしながら走っていた。

最後の最後1kmを切ったあたりから、各チームのけん引役はエースを後ろに従えてポジション取りを始める。その中で新城選手も自チームのエースを引っ張っていた。

IMG_6280

先頭を行くチームHTCを追い越しにかかったチーム(ガーミン・トランジションズ)のけん引役・ディーン(先頭)の肩に、HTCのけん引役・レンショーがヘルメットで頭突きをくらわせたのである。執拗に3回も・・・。

 

ディーンは離れていきHTCのエース・カヴェンディッシュが先頭に立ち、レンショーは役目を果たしたが、それでもまだ終わっていなかった。

IMG_6281チームのエース(右端)を先に行かせることに成功したが、その後ろからオレンジのヘルメットが追いかけようとする所をレンショー(オレンジの左前)がブロックし、壁の方へ寄せていき、危うく壁と接触させる所までコースを詰めていった。お陰でオレンジは失速し、レンショーのチームエース、カヴェンディッシュがステージ優勝を果たした。

何とも後味の悪いレース、レンショーの行為はもちろんあらゆる角度から撮影されて、TVで何度も流されていた。

最初、頭突きを3度も繰り返した時「一体、何が起こっているんだ?」と思ってしまった。

レンショーの言い分は「 ディーンがひじを使って、自分の前を遮ったので転倒しそうになり、それを防ぐために頭を使ったんだ」と言う。(何とも子供っぽい言い訳である)

大会のコースディレクターは「最悪だ、これはサイクリングであって、レスリングではない」と言っていたので、やっぱり自転車は格闘技ではないのである。

レンショーには今大会の出場停止と罰金が課せられたそうです。

IMG_6284そんな後味の悪いレースの中で、輝きを放ったのが新城幸也選手であった。

そのレスリングの様な先頭集団に付いて行って、自分のチームのエースを引っ張っていたのだが、エースがスプリント勝負の余力が残ってない事を知ると、自分から勝負に打って出た。

すごい事です。各チームのエースが、けん引役に引っ張られ、体力温存してスプリント勝負する所を、新城選手はエースを引っ張ってきた後、さらに世界のエース級の中でスプリント勝負に挑んで、見事6位でゴールラインを通過したのだ(上の写真の前列左から2番目) IMG_6283 新城選手が掲げた日の丸は、今大会初です。

1位以下はみんなタイム差0秒となっていますが、ツールのルールではタイムトライアル以外は、集団でゴールした場合は順位は付けるが、タイムはその集団の先頭のタイムと同タイムと言う事になるようです。

解かるほどに面白くなるツール・ド・フランスです。

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