25.6.15

ルーベンスの家

アントワープの歴史上、1番有名な人物はルーベンスだそうで、確かに日本でも知られた名前である。

ま、日本の場合は「フランダースの犬」で、主人公ネロがあこがれた大聖堂の祭壇画を描いたのがルーベンスであるという事で有名なのだが ・・・ こちらではアルプス以北の偉大なバロック画家としてだけでなく、建築家、外交官、科学者、コレクター、そして、父親としても活躍したというのだから、彼の才能は並大抵ではない。

そのルーベンスが死ぬまでの25年間暮らしたという邸宅兼工房が市立美術館になっていて、毎月最終水曜日には「入場無料の日」となるので、久しぶりに行ってみることにした。(通常は大人8EUR)

 リール市から16分ほどでアントワープ中央駅到着。

 賑やかなメイル通り(Meir)を歩き ・・・

 この噴水があるワッペル広場で左側に入ると

 ルーベンスの家(左)が見えてくる。
なんと、チケット売り場で人が並んでいる!

何度もこの前を通りかかるのに、こんな光景は初めて見た ・・・ 特別展「Rubens privé」のため、ロンドン、フィレンツェ、パリなどに散らばっているルーベンス作品(主に家族の肖像画)が実家に帰ってきているのだ。

アントワープ市民も、この機会に見ておかなきゃ損だよね、まして無料公開日だし。

無料とはいえ、整理券が必要なので、チケット売り場(右)で並ばなきゃいけなかったのだ ・・・ その列はなかなか進むのが遅いと思っていたら、整理券をもらうだけなら簡単だが、受付の人は「音声ガイドは要りますか? 何語ですか?」 「説明ガイドブックは要りますか? 何語ですか?」と、いちいち、お客さんに聞いているのである ・・・ そう聞かれると、お客さんも「日本語ですけど、ありますか?」 「日本語はありません、英語かフランス語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語があります」 ・・・ 「なら、いりません!」 と、いう会話の時間が出来るので、なかなか前に進まないのだ。

受付に2人しかいないし、音声ガイドを返却しに来たら、その対応もしなけりゃいけない。

 受付のそんな、のんびり対応のおかげで、美術館内は人が溢れることなく、スムーズに見学できたのは良い事なのだが ・・・

 1610年から5年間かけて建設されたという家らしく、当時の家の造り(お金持ちの家)、調度品などを見られるのも楽しみだし、もちろんルーベンスの作品が多く展示されている。

建築家でありコレクターでもあったというから、絵だけを鑑賞する美術館とは違い建築そのものや調度品も注意して見るべきだ ・・・ 床のタイルやら壁の模様、暖炉の造りやタイルなども ・・・

 数少ないルーベンスの自画像のひとつとされる絵。

 結構みんな、ガイドブックを読みながら鑑賞しているんだよね(真面目だねぇ) ・・・ 僕は「ガイドブックも、音声ガイドも要らない」 と言ったので、カメラだけを持って作品の鑑賞をしていた。

「写真を撮ってもいいですか?」と、係の人に聞いてみたら「フラッシュなしならOKです」という事だった。

ちなみに、リュックやカバンなどを持っている人は、受付の横でコインロッカーに預けなければならない。(コインは後で返却されるはず)


 ここからが特別展 ・・・ 普段はこの美術館では見られないもの。


最初の妻 Isabella 

ルーベンス53歳の時に結婚した2番目の妻 Helenaは16歳だった、彼が亡くなる10年の間に5人の子供をもうけたという。

最初の妻、イザベラとの最初の子供 Clara Serena

Zelfportret van Peter Paul Rubens met zijn zoon Albert
ルーベンスと息子、アルベルト。

以下、常設展示室へ戻る ・・・

 屋内2階のテラスから、工房だったと言われる広間を眺める。

Adam en Eve
某ベルギービールのラベルになっているが、そのラベルではアダムとイヴはビールグラスを持っているネ。

常設展示とはいえ、来るたびに数点の絵は架け替えられている気がする ・・・ 記憶力がないからなのか、同じ絵に新しい発見をしているのか、定かではないが ・・・

 1時間弱の屋内展示見学の後、庭へ出る。

 海神 ネプチューン

工房から出た所の庭側のファサード

 庭の草花も今が見ごろかも知れない。




 ルネッサンス風の庭園だと言われている。

 中庭

 古井戸のポンプがある。

 中庭から柱廊越しに庭園を望む。

 ルーベンスの家から出てきたら、チケットを求める客はさらに増えていた。

チケットを求める列を横目に見ながら、歩き、僕は徒歩1分のところにある行きつけのカフェ「Oud Arsenaal」で、のどを潤しひと休みする。

ここでしか飲めないハウスビールを飲む。

このあと、近い所にある「植物園」で都会の中のオアシスを散歩し、さらに近い所にある「マイエル・ヴァン・デン・ベルグ美術館(Museum Mayer van den Bergh)」も無料公開日なので見ておく ・・・ こちらは個人コレクションを美術館にしたもので、宗教画が多いが、そんな中にブリューゲルの「狂女フリート」の絵があり有名である。

ルーベンス繋がりで、聖パウルス教会(Sint-Pauluskerk)まで足を伸ばす。
アントワープの市庁舎から徒歩5分ほどの距離 ・・・ ここでもルーベンスの作品が数点みられる。

 祭壇画(ルーベンス作)

 大理石でできた主祭壇はベルギーで1番高いという事である。

 この教会の壁には、有名な画家の作品が所狭しと掛けられている ・・・ 内部には木の彫刻、外の庭には石像も多くあり、美術館並みの鑑賞が出来る教会だが、普段から入場は無料である。

このあと、また5分ほど歩いて(アントワープで一番古いカフェ)「クイントン・マセイス」でボルケ(ビール)の1杯でもと思い、飲んでいたら知り合いが隣に座ったので3杯くらいになってしまった ・・・

で、もう帰るんだけど、帰り道は

聖ヤコブ教会(Sint-Jacobskerk)の前を通るルートを選ぶ。

せっかくルーベンスに的を絞っているので、〆は「ルーベンスの眠る教会」 ・・・ この聖ヤコブ教会にルーベンスの遺体が埋葬されているという ・・・ この教会は、「ルーベンスの家」から徒歩5‐6分圏内である。

そして、中央駅までは徒歩10分位と云ったところ。


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アントワープ ホテル宿泊

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