今日（木）はいい天気だった！
気温は20度前後だが、陽にあたると暖かく感じる、オランダ語でいう「Na Zomer ナ・ゾ－マル」（あとの夏）にあたり、この天気をみんなが歓迎していた。
彼女は日本の事が好きで、クラスでも僕によく声を掛けてくる ・・・ で、歩きながらのおしゃべりが始まったので、写真を撮ることが出来なくなってしまった（笑）
ま、オランダ語の練習だと思って、あえて「さよなら」を言わずに同じ方向へ一緒に歩く。
町の中心であるフロートマルクトまで歩いて、「今のクラスは新しい言葉が多くて難しいですね」 とか 「どこに住んでいるの？」 とか 「主人は同じイラン人でベルギーに来て17年、設備関係の仕事をしています」 なんて会話をしていた。
彼女は自分の乗るバスが来たので、乗り場まで走って行った ・・・ 僕は、ここまで来たらもう、見るべきものはないので、家路に就く。
本題に入る
夜、いつものように僕はインターネットでFBや、ニュースなどを見ながら過ごしていたが、夜中の1時頃になり、「明日のオランダ語学校もあるから、もう寝よう」 と、思った時、窓の外から何やら騒々しい人々の声が聞こえてきた ・・・ 若者たちが酔っぱらって大声で騒いでいるのかと思って、しばらくは気にしていなかったが、突然 ・・・ 「ガシャーン」と大きな音が響き、ガラスの割れる音だったので、急いでテラスに出て外の様子を見ると ・・・ なんと ・・・
ウチのアパートの隣の棟で何かあったらしく、騒動が起きていた。
外には消防隊の工作車（放水車でもなく、はしご車でもない）が停まっていて、立て掛けハシゴで3階まで消防隊員が上がり、部屋のテラスの大きな窓ガラスを割っていたのだ。
（僕は4階に住んでいるので、見降ろすようによく見える位置だった）
いったい何があったんだ？
部屋から煙が出ている訳でもないが、それでも消防隊員は続々と工具箱を持った人や、救急医療バッグを持って部屋へと入って行く。
部屋の中では消防隊員や警察が動き、部屋の主人の姿も見えた。
しばらくしたら、ハシゴ車が到着して、3階の部屋にハシゴが伸ばされ、主人の奥さんと思われる女性が担架に乗せられ搬出された ・・・ 気を失っていて、身動きをしない ・・・ 流血もない。
階下には野次馬（アパートの住人達）も集まりだしていた ・・・ その後、主人もハシゴ車で階下に降ろされた ・・・ 力なく、低いブロック塀に座り込んだご主人。
そして「いったい何があったんだ？」 と野次馬たちに問いただされているようだった ・・・ 別に、警察に逮捕されるような事ではないようだ。
午前1時頃から3時頃まで約2時間、僕もその一部始終を見ていたが、やっぱり「いったい何があったんだ？」 という疑問の謎は解けなかった。
まず、消防隊が火事でもなのに、なぜ出動して、窓ガラスを割って部屋に突入しなければならなかったのか？
ご主人が中にいるのに、なぜ部屋の玄関のドアを開けて消防隊を入れなかったのか？
いったい、誰が消防に通報したのか？
消防隊が突入した後も、玄関やエレベーターを利用せずに、なぜハシゴ車で被害者を搬出したのか？
事件のカギを握るはずのご主人が、なぜ警察に拘束されなかったのか？
謎だらけで、全く理解に苦しむ深夜の事件だった。
この部屋のご主人は、僕は名前も知らないが、その人が犬を飼っていて、外で散歩させるときに、よく会うので「こんにちは」くらいの挨拶は良くする人だった ・・・ しかし、その奥さんの姿を見た事はなかった。
そして、今日、事件の謎が解けた ・・・ Katrienが、その時の野次馬だった住人2人と出くわした時に聴いて来たのだ。
謎解きはこうだ。
あの部屋の奥さんは、心臓の持病があり、最近はうつ病だった。
その夜、ご主人がバスルームに入っている時に奥さんが外からカギをかけて、出られないように閉じ込めてしまった。
幸いにご主人は携帯電話を持っていたので、消防に救助要請をした。
消防隊が部屋に入るのを奥さんが拒否したため、ガラスを割って突入した。
奥さんの病気のせいか、部屋の玄関ドアは内部から厳重なロックが幾重にもされていたので、消防隊員でも開ける事は出来なかった。
奥さんは鎮静剤注射を打たれて意識を失ったのではないか。
なるほど、謎は解けた。
被害者はご主人だったのだ！
深夜のミステリー
僕は、その後もしばらく眠れなくて、翌日のオランダ語学校をサボる羽目になってしまった。
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