数週間前、ベルギーの日本人仲間から 「映画で日本人のエキストラ出演者を探していますけど、Yukiさんはいかがですか?」 との情報メールを頂いたが、あまり気が進まなかったので返事を出さないでいた。
数日後、僕のケータイのベルが鳴り、オランダ語で女性が話しかけた「私はEvaです、あなたがカステールビールの撮影の時に関わっていたのですが・・・」 あとはよくわからないので、隣にいたKatrienに代わってもらって内容を聞いてみたら 「私たちは新しい映画の撮影をしていて、日本人の出演者を探しているんです。私は、あなたにぜひ出て欲しいと思っています」 と、いう事だったらしい ・・・ 是非と言われれば断るわけにもいかず、「OK!」 の返事をしておいた。
撮影当日の昨日(6/21)映画の内容も知らされず、LIERの駅を発つ僕。
Mechelen駅で乗り換えて ・・・
目的地の駅は、ブリュッセル国際空港!
直前連絡によると、ブリュッセル国際空港のスターバックス前に10:30集合 ・・・ サマールックの衣装でサングラス、カメラ、旅行者らしいカバンなどを持つこと ・・・ 撮影は20:00までかかる予定だが、お昼は準備します ・・・ ということだった。
エキストラ出演者多数 ・・・ 50名くらいいたか、そのうち日本人が5名ほど、中国人やフィリピン人などアジア系の人々、それからごく普通のベルギー人などが混ざる ・・・ 空港内控え室の Sky Hall 、空港内にこんなだだっ広い空間があったとは驚き!
日本人のうち2名の女性は「Antwerpenへ行ってきた!」 時に、街で偶然出会って立ち話をした人たちで、「国際空港のある町に住んでいます」 と、聞いたので、僕が単純に 「実は来週、国際空港で映画の撮影があり、日本人エキストラ出演者を探していますが、どうですか?」 と、誘ったのがきっかけで来てくれた2人だった! ・・・ 1人は日本の岐阜から来た観光旅行中の女性で、なんと旅行中に映画の撮影に参加したというラッキー(というのか、ハプニングか?)な出来事になった。
「サマールックで来てくれ」 と言われても気温20度にもならない日だったので、ジャンパー着用して、リュックに沖縄の「かりゆしウェアー」を持ち、控え室で着替えてから撮影に挑む ・・・
空港のチェックインカウンターに並ぶ ・・・ もちろんこれは、映画撮影のための「Japan Airweys」カウンターだった(笑)
それらしい航空チケットが配られて、列に並ぶ ・・・ 僕は控えめに後方に並んでいたのだが、僕のかりゆしウェアーを気に入っていた Eva さんが、「Yuki、こっちに来て、この位置に立ってね」 と、立ち位置を指示されたので、そこに立っていると ・・・ 後から来て僕の隣に並ぶのが主役の男で、その後ろに主役の女性が来て、男が落とした財布を拾ってあげるところからドラマが始まる ・・・ っていうシーンで
何十回も、そのシーンを繰り返し撮影する ・・・ 映画の撮影というのは大変なのである ・・・ まずはカメラが遠い位置から全体的に映るように撮影して、それだけでも10回くらいやらないとOKは出ない ・・・ そしてカメラを主役たちの近くに持ってきて、クローズアップ撮影 ・・・ そのあと、後方からの撮影と ・・・ 監督、撮影スタッフはプロ集団なので、絶対にミニスは許さない、許されない真剣勝負である。
僕は列に並んで、自分の搭乗券をチェックして、カウンターの方を覗いてみたり、自分のカメラをいじっていたりするのだが、僕の隣と後方ではドラマが生まれている ・・・ さらに列の後方では空港内を行き交う人々というエキストラもいて、あの人たちは何十回も繰り返し、行ったり来たりしていたことになる ・・・ 大変な役だ。
Evaちゃん、僕を選んでくれてありがとね!
主役の2人、女性は Wine Dierickx これまでにも数々の映画に出演している有名女優らしい ・・・ 男性(チェックのシャツ)は Jeroen Perceval 去年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したベルギー映画「Bull Head」(邦題:闇を生きる男)にも出演していた有名な俳優。
チェックインのシーンでは僕の隣に常にJeroen Perceval がいて、手荷物検査のシーンでは、僕の隣にはWine Dierickx がいた ・・・ と、いうことは僕はかなり映っている事だろう。
お昼の休憩時間 ・・・ 空港なので飛行機の写真も撮っておかなければ ・・・ と思ったが、普段使われていない控え室のガラス窓は汚れていた!
お昼(食事)は準備します ・・・ と書いてあったが、エキストラ出演者は細長いパンにチーズかハムが挟まれた簡単なもの ・・・ スタッフや主役たちはビュッフェ形式の豪華(に見える)食事が準備されていて、ついたてで仕切られていた。
エキストラ出演者には20EURという手当が支給されるが、僕の場合、電車賃で19.40EUR使うので60セントしか残らないんだからさ ・・・ ほとんどの人はボランティアの気持ちで参加していると思う(映画に参加できる経験は貴重だが・・・)
「せめて、食事を楽しませて欲しかったなぁー、ビールでもあればなお良かったが・・・」と愚痴を言ったのは僕だけかもしれない。
午後の部は全員にセキュリティーカードが配られて、出国審査をスルーして搭乗口へ向かう ・・・ なんでも主役ふたりは、大阪行の飛行機に乗ることになっているのだ ・・・ 上の写真は主役のJeroen と監督が話し合っているところ ・・・
手荷物のセキュリティーチェックをして、彼女が先にゲートをくぐり、(彼女の先には僕がいた)彼が後でゲートをくぐるが、突然、彼は自分の荷物をとってUターンして逃げていってしまう ・・・ と、いうドラマがあった ・・・ あとはどういう内容か知らないが、ロマンチックコメディー「Plan Bart」というタイトルで来年には完成、公開される予定であるらしい。
僕は撮影の合間に、近くにいたフィリピン人女性とオランダ語で会話をしてみた ・・・ 僕のシャツを見て彼女が 「このシャツの絵はレモンのようなフルーツですよね、、私はフィリピン人だけど、フィリピンにもありますよ」 僕「あ、そう、僕は日本だけど、南の方の沖縄という島だからトロピカルな場所で、フィリピンと似ているところだよ」 彼女「私はベルギーに来て8年で、夫はベルギー人、3人の子供がいるわ」 ・・・ こういう、移民同士の拙いオランダ語会話はなかなか楽しい ・・・ お互いに言葉で苦労しているから、間違えても気にすることはない。
10:30 ~ 20:00 空港内に拘束されたエキストラ出演者たち、疲労の色も濃くなっていたが、最後は笑顔で「さようなら~」と別れた。
Evaちゃんが最後に「貴方がいて良かったわ、ほんとにありがとう!」とお礼を言ってくれたので嬉しかった。
ブリュッセル国際空港は地下に鉄道駅があるが、空港駅で降りる客は空港税を払わなければならない ・・・ 普通はチケット代に含まれているが、普通の回数券でここで降りると追加徴収される ・・・ 昨日はそのチェックが厳しかった(僕には関係なかったが)
Antwerpen-berchem駅で乗り換え、2階建て電車に乗る ・・・
自分で今日のご褒美 ・・・ これで20EURから赤字に転落!
最後に自分撮りのムービー風ショット!
沖縄特産、シークヮーサー柄のかりゆしウェアーで帰還する。
映画の完成が楽しみだ!
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