沖縄滞在中、近所の行きつけの居酒屋で、旨い料理を食べ、ビールを飲み、友人たちと他愛のないユンタク(おしゃべり)をする ・・・ そんな場所でいちいち写真を撮って、ブログネタにするってのもなんだかな・・・
食べて飲んでばかりじゃなくて、地元の公民館に行ってきた。
今回の帰省で楽しみにしているものがあった ・・・ 「津波古字誌」 僕が生まれ育った場所、津波古(つはこ)の歴史を綴った本で、今年になって完成・発刊されたことを聞いていた ・・・ 僕が沖縄を出る前の2年間ほど、精力的に本の完成を目指して編集委員とともに動いていた。
元編集委員ということで、公民館から贈呈された立派な字誌!
左から硬い外箱、本体、付録のDVD2枚、大判の地図2枚も付いている。
販売価格は、区民2,500円、一般4,000円
制作費と部数から計算すると原価は5,000円以上だろう。
昔の津波古の風景写真が多数掲載されている。
近年のものはカラー写真で ・・・
人物紹介も多く、懐かしい人の顔、今でも変わらない身近にいる人まで載っていて、ついつい全部の顔をチェックしてしまった。
本文中にも懐かしい写真が多く取り入れられ、しかも、その中の人物まで名前入りである ・・・ これは編集委員の努力の聞き取り調査の賜である ・・・ 「くぬっちょー たーやみせーがやー」(この人は誰でしょうか?)と、お年寄りたちに聞いて回ったのである。
あまり注目されないが、巻末の「索引」も編集委員が自慢したい、この本の魅力のひとつである。
そして何より、この本の魅力は付録にあり!
付録・・・おまけ?
いや、そんな事はない! このDVDには、この本の本体すべてが電子版で収められていて、本には収められない音声、動画が多数収録されている。DVD 1 には、ウェブブラウザーを利用して本書のすべてをPDF形式で閲覧できる。
そして、50年以上も前から聞き取り調査を始めた「インタビュー音声」が収録され、それがなんと120時間に及ぶという ・・・ 圧倒的ボリューム ・・・ もちろん当時の音声は雑音も含むが、貴重な昔言葉(方言)を聞くことが出来る ・・・ 内容もそうだが、その言葉自体も貴重だ。
DVD2 は動画映像で、南城市津波古といえば、古くから郷土芸能の盛んな地域として知られていて、その演目たるや半端ではない ・・・ それが収録されている。(Windows Media Playerで再生)
こんなお芝居の動画もあった ・・・ 恥ずかしながら、この真中にいる人物は僕である。
昔、TVも電気もない時代に村の娯楽として、村民自らが役者になり「村芝居」という娯楽を作っていた ・・・ 娯楽の多くなった今日、演じられることは少なくなったが、それを消滅させることなく継承している地域が「津波古」であり、我が故郷。
僕がベルギーに移住してからは協力できなかったが、その後4年間、編集委員の皆さんが忍耐強く作業を続け、完成に至った ・・・ 天晴!(あっぱれ)
編集委員長の伊礼さんにお会いして、この本に込められた素晴らしいアイディアや、苦労話などもお聞きした。
こんな地域限定の本が売れるわけでもないが、是非多くの人に読んでいただきたい。
もし、他地域で地域史編集などしているところなら大いに参考になると思う ・・・ 沖縄の芸能が好きな人ならDVDで動画を観るのは興味深いものだと思う。
「津波古字誌」
お問い合せ:津波古公民館. 電 話:098-947-6510
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