本日、アントワープ近郊の町コンティヒ(Kontich)の教会において、義理の叔父様の葬儀があった。
Katrienの叔父なので、もちろん僕も同伴で参列した ・・・ ベルギーでのお葬式に参列するのは2度目、前回は2年前のKatrienの父親だった ・・・ 昨年、母親も亡くなったが、僕は日本に帰国中で参列できなかった。
(イメージ写真:今日のではない)
僕にとって、いつもは美術鑑賞の場所として、ベルギーの教会に馴染んでいるものの、本当の教会の役目は信者に対する「ミサなどでキリスト教の教えを説く場所、洗礼式、結婚式、葬式を執り行う場所」 だろうか ・・・ 難しく考えると「教会とはキリストの体である」となり、信者でもない僕が論じることはできない。
異教徒の僕が正式なキリスト教の儀式に参加していいのだろうか? と、いう疑問は僕にはない ・・・ というのは、彼らは僕を拒まないし、僕は亡くなられた方の冥福を祈り、遺族を慰めたい気持ちは同じだからである。
そんなわけで、午前11:30から葬儀が始まるので、11時頃、教会に着いて、並んでから教会に入っていく ・・・ 入ってすぐに故人の柩が有り、神父様から渡された銀の棒で柩に向かって十字を切ってから中に入る ・・・ 次に身内(奥様と子供達と配偶者)が並んでいる前を通り、女性とは頬でキスをし、男性とは握手をして慰める(気を強くお持ちください、などと声かけもする)・・・ 僕らは親族として前方の席に案内された。
弔問者が座り終えるまで、主祭壇の横でキーボードとチェロによる聖歌の生演奏があった ・・・ アヴェ・マリアなど、馴染みの曲も ・・・ 教会内部に響く生演奏は素晴らしい。
全員が座り終えると柩は主祭壇の前に運ばれ、神父様が儀式を執り行う ・・・ 故人の経歴を紹介する ・・・ 合間合間に生演奏の聖歌が流れる ・・・ チェリストの女性がソプラノの歌も歌う、それも綺麗な歌声。
故人の友人代表と、孫の代表が別れを告げる言葉を述べる。
そして、親族をはじめ、弔問者全員がもう一度、並んで柩の前に来て、一礼し、別れを告げ、十字架に刻まれた故人の名を手で撫ぜて、歩き進むと小銭を入れる籠が有り、いくらかのお金を入れる(僕らは10EURずつ入れた)。
ゆったりとした時間が流れ、生演奏の音楽にも感動し、「きっと、故人は安らかに天国へ行くのだ」 という気持ちになってくる ・・・ 故人が亡くなってから9日目の葬儀なので、身内の方々も気持ちの整理はついているのだろう、すすり泣く声は聞こえない。
すべての儀式が終わって、教会の外へ出たのが13時 ・・・ 1時間半の儀式だった ・・・ 柩は車に乗せられ墓地へ ・・・ 特に親しい人たちは墓地まで行って、最後の別れをしてくる ・・・ 僕らも行った。
火葬はされず、遺体のまま柩に入れられ埋葬されるのだが、それだけはちょっと「小さい箱の中に入れられ、暗い土の中に埋められるとは可愛そうだ」 と、思ってしまった。
生前のポール叔父さん(Katrienの母の弟)、半年前の元気なお姿(となりは奥様)。
半年前、お二人の結婚50周年パーティーにもお呼ばれして、大いに盛り上がったものだった ・・・ 実は5年前からガンを患っていたという ・・・ 今にして思えば死期を悟って、盛大なパーティーをしたのだろうかと思ってしまう。
最後に、あの楽しかったパーティーの思い出を胸に天国へ旅立ったか、ポール叔父さん。
パーティーの思い出といえば、奥様のミア叔母さんによると「Yukiさんが撮ってくれた写真を元にフォト・ブックを作ったのよ」 という事らしい ・・・ 僕はまだ出来栄えを見ていないが、確かにあのあと、僕の撮った写真は全てDVDにして、彼女にプレゼントしたのだった。
葬儀の墓地でも、わざわざ僕を呼び止めて 「あなたが撮った写真を見たわ、とても素晴らしかった」 と、話しかけてくる人もいた ・・・ ミア叔母さんは、フォト・ブックを渡すときに 「日本人のカメラマンがいたから助かったわ」 と言っていたらしいのだ。(叔母さんが頼んでいた身内のカメラマンの写真が全滅だったという話)
お葬式が終わると、親しい方のみを招待した「コーヒータイム」 というのがある ・・・ 日本ではない習慣かな。
僕が見た感じでは「パーティータイム」である ・・・ しんみりした時間は終わり! せっかく集まった故人ゆかりの人たちの親睦パーティーだ ・・・ シャンペンを飲み、久しぶりに会う顔ぶれと会話を交わす。
おそらくは半年前の結婚50周年パーティー以来だろう、同じ顔ぶれが揃ったわけだから楽しくないわけがない ・・・ 身内の方々も、故人は覚悟していた死であり、それから9日経過しており、いいお葬式が出来たという安堵感からか、笑顔も見せてサバサバした様子だった。
「コーヒータイム」 ま、確かにコーヒーは出るが、パンとハムやチーズなど、軽い食事会である。
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