僕の故郷、沖縄が揺れている・・・
一部の人たちかも知れないが、真剣に沖縄の未来を、沖縄の子供たちの将来を考える人たちが立ち上がり、団結している。
事の発端は那覇市にある久茂地公民館(旧沖縄少年会館)が「老朽化し、その役目を終えたので解体撤去する」と、那覇市が決定したことから始まる。
僕がベルギーに来てからの事であり、沖縄にいる友人たちからの断片的な情報からなので、細部で誤りがるかもしれないが自分が思う事を綴ってみたい。
沖縄少年会館、1966年落成。
第2次世界大戦で、島全体が焼野が原、廃墟と化した沖縄本島。
戦後は急速に復興していったが、青少年の健全教育には何かが足りなかった・・・。
その「何か」を補うために、当時の教育者有志が心血を注いで日本全国に寄付を募り、離島県であり、アメリカ統治下に治められた沖縄と日本本土との懸け橋として「沖縄少年会館」を完成させた。
当時の沖縄少年会館は、子供たちの夢だった!
僕も小学生の時、南城市(当時佐敷村)から、小学校の遠足で行った記憶がある。
当時、那覇市は佐敷村と言う田舎村の少年には、今なら、沖縄から東京と言うくらいのかけ離れた存在であり、そこにある最先端の科学技術が詰まっている「少年会館」と言うイメージだった。
初めて鉄筋コンクリート6階建て+屋上のドームと言う巨大な建物を目にし、初めてエレベーターに乗り、初めてプラネタリウムと言う天体を見た。
小学生のころ、理科が得意だった僕は「将来は科学者になる!」という夢を持ったものである。
今にして思えば、当時の教育者たちが感じていた、「足りない何か」とはこれだったのだろうか?
これは僕個人が感じたことで、他にもいろんな感じ方をした少年たちがいたに違いない。
離島県沖縄の、さらに離島から、本島・那覇市に来る少年たちもいた。
その少年たちの宿泊施設としても、この少年会館は利用されていたのである。
どんなにありがたい事か!
時は過ぎ・・・、
「この建物は老朽化で危険、役目は終わった、解体撤去の後は公用車の駐車場にする」と、那覇市はのたまう。
ただでさえ空地の多い久茂地界隈なのに?
さらには隣接する久茂地小学校まで、「児童数の減少により、隣接小学校と併合し、廃止する」という事まで計画されているようなのである。
おぉ、那覇市よ、何処へ行く。
子供たちはどこへ行けばいいんだ!
「那覇市は解体へまっしぐらだ!聞く耳を持たぬ」と沖縄の友人は嘆いている、建築の専門家は「強度補強してリフォームすれば十分に使える」と言う。
なぜ壊すの?
単純な疑問である。
解体請負業者がすでに決まっているの?
そんなことまで疑ってしまう。
まあ、僕は政治には疎いので、これ以上突っ込まないが、ベルギーの話をしよう。
僕が住んでいるベルギーのリール市、この間散歩していたら、こんな家があった。
壁が倒れそうになっているのを、つっかえ棒でサポートしているのか?
「そう簡単には壊せませんぜ!」と言っているようだ。
1860年建築の倉庫をアントワープ市が買い取り、2006年から市の公文書館に再利用されている例もある。
メッヘレン市の13世紀の市庁舎は現在、博物館として利用され、14世紀の市庁舎は郵便局として利用され、
14世紀の建物に16世紀に増築して20世紀に完成したというのが現在の市庁舎である。(右から順に)
息の長~い、スパンである。
地震のない国だから・・・と言うなかれ、築100年、200年の住宅など普通に存在するベルギーだが、住む人が変わればリフォームするのは当たり前なのである。
解体取り壊しの廃墟?
違うのです、外壁をそのまま保存して、中身をすっかり建て替えてしまうのです。
ベルギーではこの工法をよく見かけます。
先人が残した建築を、いかに大切にし、保存していくかを考える。
そもそもの考え方が違うような気がする。
そもそもの考え方と言う点で、もう一つ思い当たるフシがある。
今年9月に沖縄帰省して、那覇市の顔ともいえる、観光客が多く集まる国際通りを歩いた時の事。
暑い沖縄、コンビニで水を買い、少しずつ飲みながら歩く・・・、ペットボトルが空になり、捨てようと思ったがゴミ箱がどこにもない!
自動販売機の周りにも見当たらない・・・、これには往生した。
「ごみを捨てるな!」という看板は良く見かけるが、ごみを捨てられないなら持ち帰るしかないが、ゴミばかり持っていては買い物ができない・・・那覇市商店街。
ベルギーでは、ショッピングストリート、公園では100m置き位にごみ箱がある。
おかげで、フリッツやワッフル、サンドイッチや飲み物を買って、公園で気兼ねなく、ゆっくり食べることが出来て、ゴミ箱へポイすれば街を汚さない。
ゴミ箱がたくさんあるという事は、回収する人が必要だ・・・、新築建築業者が少ない分、社会の環境整備に振り分けられるのだと思う。
12月8日、沖縄少年会館を保存活用させる会、および沖縄子どもを守る女性ネットワークなどの「緊急シンポジウム」が開催されます。
僕はベルギーで、沖縄・那覇の未来を憂いている。
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