パリに着いて3日目、第2の奇跡
ローランギャロス(ROLAND GARROS)の入場チケットさえ持っていない僕らの、3日目の予定は、「とりあえず行ってみて、昨日のイワノビッチを見たテニスクラブのカフェで、コーヒーでも飲みながらどんな選手が来るか待つ、あわよくばフェデラーなんかが来るんじゃないか、そのあとパリ観光をしよう」と、また甘い考えで行動を始める。
しかし、2度目の奇跡が起こるのである。
昨日より少し遅く、会場の最寄り駅に着いて、会場へ向かう人の群れに交じって、流れに乗って歩いていると、例によってダフ屋(ほとんどが黒人)が何度も寄って来ては「チケットはいりませんか」と声をかける。時々値段を聞いてみると、やはり倍掛けの120€以上である。Katrienは「そんな高いチケットは買えません」と、何度も断った。(目的は練習コートだったから)
そんな時、大柄な白人男性がフランス語で「チケットが必要なら、私のを60€で譲りますよ」と、声かけてきた。Katrienが話を聞いてみると「実は妻と息子と一緒に来るつもりだったが、息子もテニスをやっていて、大会が入ってしまい、自分一人しか来れなくて、2枚のチケットが余っているから、貴方達に正規の値段で譲りますよ」と、言う事だった。
こういう場所で、簡単に人を信じることはできないので、「ちゃんと、入場出来たらお金を支払いますが良いですか?」と、訪ねると「もちろんいいですよ、私も一緒に入りますから」と言うので、どうやら本物らしい。
僕らは2人分の120€の現金を持っていないので、現金払い戻し機のある所まで、この白人男性も一緒に来てもらい、現金を調達してから会場に戻りE-チケット(インターネット予約)入場口から入場し、その男性にお礼を言って、120€渡し、無事交渉成立。
彼も、僕らと同じ時間に、最寄駅に着いたばかりで、2人連れで、チケットを買ってくれる人を探していたらしい。その時、僕ら2人を見て、「誠実そうな人だから」声をかけたと言っていた。
なんと、センターコート、フィリップ・シャトリエのチケットが、当日に正規料金の60€で手に入ったのである。これを奇跡と言わずなんと言おう!
この大柄な白人男性が天使のように見えた。感謝!
しかも、フィリップ・シャトリエでは、サフィーナ(現在の女子No.1)、ナダル(現在の男子No.1、去年の覇者)、シャラポワの試合が次々行われる日だ。まさに、ゴールデン・チケット!
この日は天気も最高!
スザンヌ・ランランからフィリップ・シャトリエ、No.1コートへ続くメインストリート。その間にもアザーコート(No.2以降のコート)が、いくつかあり、少しづつ覗いては移動して行く人の群れ。
フィリップ・シャトリエとNo.1コートの間にある「四銃士広場」の大型スクリーンではサフィーナの試合を映していた。
「四銃士広場」
フィリップ・シャトリエのチケットを持ってない人は、ここの大型スクリーンで見ながら、スタンドの大歓声を聞く事が出来る。
ナダルが負けるなんて、これっぽちも思っていなかったが、試合は意外な展開になって行く。
どうも、ナダルの打つエッグボール(スピン)が、ウズラのエッグみたいに小さくなり、ほとんどサービスライン付近に落ちるので、簡単に返されてしまう。この日は鋭角なショートクロスも影を潜めていた。
フィリップ・シャトリエのスタンドは、ほぼ満席だったが、観衆はSODERLINGのポイントの方が拍手が多かった。無名(失礼)のスウェーデン選手への同情応援かと思ったが、ナダルピンチでも変わらなかった。元気ないぞー、エスパニョーラ!
トニーおじさんも必死に励ますが・・・・
ついに歴史的瞬間が・・・
大歓声とスタンドの地響きと共にやってきた。
フレンチ・オープン初出場、初優勝以来、4連覇。5年目にして初敗北の瞬間を、見る事になってしまった奇跡のゴールデンチケット。
初出場から無敗の31連勝、5連覇に挑むプレッシャーは相当なものだったと思う。フェデラー相手なら150%の力を出せても、勝って当然の格下には80%の力も出せなかったのではないか?
今回は残念だったが、次のウインブルドンで、プレッシャーから解放され、新たな強さを身に付けたナダルを見たい!
今はベルギー情報はありません
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