15.5.11

教会での葬儀

昨日の義父の葬儀から思った事(雑感)

 

ベルギーに来て初めて体験した葬式が義父の葬式でした。(カトリック教)

老人ホームの個室で息を引き取った後、医者の診断が終わり、葬儀屋と連絡し、葬儀屋の霊安室で遺体を預かってもらいます(お通夜はありません)。

近しい人々への葬儀の案内を郵送した。住んでいたアパート(今は僕らが住んでいる)には玄関ホールに、お知らせの張り紙を出した。

すると、アパートの住人からは「お悔やみのカード」に、自筆で書いた短い文章とサインをして、郵便受けに入るようになった。

案内を受け取った人で葬儀に参列できない方からは、郵便でお悔やみと、葬儀に参列できない旨のお知らせが届いた。

電話でお悔やみを言ってくれる方もいる。

クラシック音楽が好きだった父のために、子供たちは教会での葬儀ミサのときに、チェロとハープの生演奏とソプラノ歌手の歌声を依頼した。・・・教会での生演奏は響きがあり、とても感動的でした。

参列者は教会に入る際に「お悔やみカード」を提出していたようです。(もちろん香典というものはありません)

葬儀の間に教会への寄付を募ります・・・教会関係者が小さなかごを持って参列者の周りを回る(金額は決まってなく、お札の人もいるしコインの人もいる)

参列者は神父から聖体(ホスチア)と言われるコインくらいの大きさの小さいパン(ウエハースのような)をもらい、その場で口に入れて食べます。

当然ですが、キリスト教という宗教の中で生きて来たわけですから、キリスト教に従って行われます。

ただ、昔は火葬するのもダメだった時代があったようです、棺に入れての土葬ですね、「復活」を信じていますから。

徐々にその習慣も変わりつつあり、火葬の方が多くなっているようです。

 

教会での葬儀が終わった後、ごく近しい人々は「コーヒータイム」にも招待されています、(案内状にその旨記載されている)

教会から近いレストランの一室を貸し切りして、レセプションのように立ち話でおしゃべりをし、ある時間が来たらテーブルについて、メイン料理のない軽い食事をします。

「コーヒータイム」とはいっても、シャンペン、ワイン、ビールも出ます。

故人に近しい人々なので、大体が知りあいなわけですね、久しぶりに会う人も多いので、昔話に花が咲いたりして笑い声も聞こえ、悲しい雰囲気ではありません。

セレモニー(あいさつ)は一切なしで、話したい人を見つけては近寄って話をする。

僕も近頃はkatrienのファミリーの中でも、存在が認知されてきていて「Yuki、元気ですか?日本は地震と津波で大変でしたけど、あなたのファミリーは大丈夫ですか?」と、話しかけてくる人もいた。

「もう慣れましたか」とか「住んでみてベルギーは日本と比べてどうですか?」と、なかなか僕に興味ありそうな人は多いのだが、僕がまだ対応できてないので、少し、残念に思われている。

姪の子供の「洗礼式」でもそういう雰囲気だった。

 

その「コーヒータイム」が終わってから、3兄姉夫婦で、アントワープの長男宅へ移動し、葬儀の日のまとめをした。

アントワープの長男宅は、最近そこへ引っ越したばかりなので、僕は初めて伺ったが、非常に素晴らしい立地だったので、後日その部分だけ書こうと思っています。

 

 

そこで、話のついでだから、沖縄での葬式風景について書いておこう。

 

僕は沖縄育ちなので、沖縄の事は分かりますが、日本本土の標準とか地方の習慣というのは分かりません。

考えてみれば、若い頃に愛知県に5年ほど住んでいたが、親戚はいないし、友人知人は若者だけだったので「お葬式」に参列した事はなかった。

沖縄でのお葬式は大変でしたね。

今昔でも違うのですが、ちょっと古い話20-30年前、しかもちょっと田舎の方ではという事になりますが・・・(僕が住んでいた地域という事)。

人が亡くなると、村(地域)中に布令され、故人が住んでいた班(40-60世帯)各戸から葬式要員が招集(強制)される。

男性は葬式の準備、女性は通夜や、男性陣の賄い料理を作るため台所に入る。

葬式は「班の衆」が仕切り、お経のための坊さんだけを寺に頼んで、来てもらう。

葬式だけでなく、お骨が入る、お墓まで清掃する・・・、お墓が山の中にあったりしたら、その労力は大変です。

日本では人が亡くなってから早いと翌日、長くとも3日後くらいにはお葬式が執り行われます。

そのため、平日だろうが関係なくお葬式があるわけで、仕事を休んで葬式準備に出動しなければなりませんでした。

故人を偲ばなければならないのですが、しんみりしている暇はなく、朝早くから夕方まで、段取り良くテキパキと動かないと、葬式を終えられないから大変でした。

今は葬儀屋が葬式の準備をして、それ以外を「班の衆」が手伝うという形に変わりつつあるが、それでも大変な時は大変で、重労働だったりもする。

葬式の片付けまで、すべて終わってから「班の衆」は、慰労会と称して遺族とは別に一席を設け、故人の思い出やその日の葬儀の出来などを話し合う、 ・・・・話はいろんな分野に及んで・・・・

葬式の後の楽しみと言ったら故人に失礼ですが、普段は仕事が忙しくてなかなか会えない、隣近所の若い衆も一堂に会するので、地域の昔話や習俗などを口承で若者に伝えていく、いい機会であったりします。(故人が与えてくれた機会だと感謝もする)

僕の住んでいた地域でも、その「慰労会での話をまとめれば一冊の本が出来るくらいだよね」との会話もあったくらいだから、大変な情報量である。

誰か、その話を一冊の本にまとめてくれないかなぁー、、、と思っている。

 

僕は常々、葬式は疎遠だった知人に出会える場所でもあると思っていたが、それは洋の東西を問わないようである。

 

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