ベルギーの某制作会社から携帯に電話があり、「今度、VRT(ベルギーの公共TV局)で新しいプログラムが始まるので、日本人のエキストラ出演者を探しているのだが、あなたの都合はどうですか?」 と、言う。
その時、僕はひとりでサイクリング中だったので、詳しい事は聞けないから「あと10分くらいしたら家に着くから、後で電話してください」 と、その場をしのいで家に帰る。
家に帰るとKatrienがいるから、次の電話では通訳をしてもらった ・・・ 内容を聞いてみると、「秋以降に始まる新しいTVドラマシリーズで、大きな港湾で、アストンマーチンを現金で買う、ちょっと怪しげな日本人ビジネスマン役とそのボディーガード役が必要で、2人+5人探している」 との事、僕は「OK」した。
はて、制作会社から、なぜ僕に直接電話がかかるのか?
不思議ではあるが、3年前の偶然の映画出演以来、ベルギーの映画制作会社のデータベースに日本人俳優(エキストラ含む)として登録されているようなのだ!
さて、今回はどうなる事やら ・・・
6月23日、約束の場所、ベルギー西フランダースの港町ゼーブルージュ(Zeebrugge)へ向かう ・・・ リールから電車で2時あまりもかかるので、11時集合に合わせて、家を8:15に出る ・・・ Antwerpen-Berchemで乗り継ぎ。
電車に乗ったら、車内新聞は前日のベルギー勝利(ワールドカップ)を伝えるお祭り騒ぎ!
ベルギーのエース、アザールは、メンズニベアの広告になっている!
今、ベルギー代表の各選手は、いろんなメディアに引っ張りだこである。
ゲント Dampoort駅近く ・・・ 今回は通過するのみ。
西フランダース、のどかな田園風景。
ブルージュの聖母教会を遠くに見て、ここも通過するのみ。
終点のブランケンベルゲ(Blankenberge)駅。
え、Zeebruggeじゃない?
Zeebruggeに国鉄駅はあるのだが、Webで検索した乗り換え案内に表示されなかったので、何かの事情で駅が使えないのかもしれない ・・・ そんな事もベルギーではよくある事。
諦めを付けるのが肝心である。
ブランケンベルゲも海辺の街で夏のリゾートとして人気がある ・・・ まして、この日は天気も最高だったし、何本もの電車から降りる人が多かった!
僕は、制作会社のよこす迎えを待っていた ・・・ ゼーブルージュまでは車で10分以内である。
はい、やってきました、ゼーブルージュの港 ・・・ 大型コンテナ船が積み降ろしをする大きな港湾です。
エキストラ仲間とも面会し、以前に会った事のある日本人もいて、多少は緊張も解けた。
日本人は僕を含めて3名、中国人2名、モンゴル人3名、中国系インドネシア人が日本人役のエキストラ出演者だった。
モンゴル人はさすがに、僕らが見たらモンゴル人に見えるのだが、こちらの人からすれば「アジア人」と云うひとくくりになるのか?
中国系インドネシア人は、まぁ、日本にもこういう人はいるな ・・・ みたいな感じだ。
そのインドネシア人が「日本の沖縄に行ったことがある」 と、いうので会話が始まり、
意外な事実が発覚するのだった!
あとで ・・・
スタッフや、メインの俳優さんたちは別テーブルで、うまいものを食べられるが、エキストラ役者はサンドイッチのみ!
ギャラは安いんだから、そんなに差を付けなくてもいいのにさ!
ま、いいけどさ!
撮影現場はコンテナ船から、コンテナを積み下ろしする場所 ・・・
これが主役の大道具、アストンマーチン!
なにせ、007シリーズのボンドカーにもなった車だから、たいそうな価値があって、この車を日本人ビジネスマンが8万5千ユーロ(約1千万円)キャッシュで買うという、取引の現場なのであった。
エキストラ役に挑む僕の仲間。
向かって右から、年配の日本人ビジネスマン、現金入りのアタッシュケースを持っている! ・・・ 秘書の女性、運転手役(インドネシア人)、そして、ボディーガード兼運転手役の僕。
どうだ、この凄い陣容は!?
他に6名いた。
そのインドネシア人男性と話したところ(オランダ語で)
Y(僕)「沖縄に何しに行ったの?」
H(彼)「空手の大会に出ました。そして稽古もしました」
Y「どの流派?」
H「極真空手、那覇の七戸道場」
Y「え、僕は七戸さんと友達だよ!」
H「え、そうなんですか、僕は去年も行ったんですけど」
H「今度、七戸さん夫妻と師範がベルギーに来ますよ」
Y「え、ほんと?会いたいなぁ、どこで合宿するの?」
H「へーレンタルスか、トルナウトか・・・、ぜひ訪ねてきてください、先生も喜びますよ」
「じゃ、いっしょに写真を撮って送りますから、サプライズさせましょう!」
と、そんな出会いだった。
偶然とはいえ、すごい事だ!
晴天の下、撮影は続く ・・・ 毎度のことながら、映画の撮影というのは、監督が納得のいくまで、カメラのアングルも変えながら、何度も同じシーンを繰り返し演技しなければならない。
エキストラ場面も終わり、主演役者たちの近距離からの撮影になった。
11時から始まった撮影は、午後6時まで続いてやっと終わった ・・・ ほぼ立ちっぱなしで、キツイところはあったが、上記の出会いもあり、楽しい7時間だった。
インドネシア人とメルアド交換して「さようなら~!」
帰りはひとりで、ベルギー海岸線のトラムで海岸線散策する事にした。
せっかくのいい天気、海岸にいるなら海辺を歩かない手はない!
とりあえず、冬にも行ったが雨に降られて残念だった、デ・ハーン(De Haan)という町へ行くことにしよう!
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